美食天国
杭 州

 「上有天堂、下有蘇杭(天に楽園あり、地に蘇州・杭州あり)」とうたわれた杭州。上海の南、約170キロのところにあり車で約3時間。昨年新空港が郊外に開港したばかり。国内国外から年間2千万人が訪れ市内には大きなホテルが次々に建ち、活気があふれています。
 本誌31号・32号の『杭州の風』にご紹介するように、杭州は中国・江南地方の代表的な古都であり、中国の長い歴史と、豊かな江南文化とを肌に感じられる街です。そして西施にもたとえられ、「飾らない薄化粧の姿もあでやかに化粧した姿もともにすばらしい」と称えられた西湖湖畔の風光明媚な観光地。郊外の龍井村は、緑茶の名品「龍井(ロンジン)茶」の産地です。
 歴史を訪ねて、龍井茶を訪ねて、景色に引かれて…、杭州を訪ねるとき、ぜひ《美食天国、杭州》をご堪能ください。



杭州料理の伝統
 湖沼や河川の多い江南は「魚米之郷」と呼ばれ、水陸の産物が豊か。杭州のある浙江省は緑茶の産地であり、そして紹興酒や赤い浙酢(浙江の酢)、金華ハムの産地でもあります。
 春秋の時代に始まり南宋の時代に飛躍的に発達した杭州料理は、季節の野菜や魚介類を使い素材を生かした淡白なものと、 しょうゆ・酢・酒などの調味料の味をきかせたものがあり、刺激の強い香辛料やニンニクの多用はあまりありません。
 歴史的杭州料理には由緒あるいわれや感動的な物語を持つものがたくさんあります。名料理が数々あるうちのごく一部をご紹介しましょう。
西湖醋魚(西湖の淡水魚の甘酢かけ)
西湖産の草魚に甘酢をかける。別名「叔嫂伝珍」、兄弟と兄嫁の伝説あり。
龍井蝦仁(小エビの龍井茶炒め)
名産の小エビのむき身に龍井茶葉を加えて炒める。
宋嫂魚羹(宋ねえさんの魚のあつもの)
ケツギョやスズキと金華ハム・浙酢を使った、8百年前から伝わる伝統料理。「宋ねえさん」は料理上手。
東坡肉(トンボーロー)
唐宋八大家の一人、文人でまた杭州知府であった蘇東坡が考案したといわれるブタ肉の角煮。ブタ肉のおいしさを最大限に引き出した甘辛しょうゆ煮込み。


杭州料理の発展

新杭州名菜
 食材を求め、技術を革新し、世界の味を取り込む。伝統的杭州料理を踏まえ、新たな創造が始まり、認められた名菜の数々があります。とても全容を紹介しきれないほど。
稲草鴨(ワラ包みのダック)
丸ごとのアヒルをイネワラであぶることで独特の香味がでる。骨はぽろぽろと取れる。
鉄板鱸魚(スズキの鉄板焼き)
西湖のスズキを油で揚げ、ホイルに包んで鉄板で焼く。造り方が新しく、味がよい。
金牌扣肉(ブタばら肉の蒸し物)
ブタばら肉を蒸して薄切りにし金字塔の形にし、薄焼きの「餅(ピン)」に挟んで食べる。96年の第2回中国料理コンクールで金賞を受賞したのでこの名がある。

杭州の料理店
楼外楼菜館・天外天菜館・天香楼・張生記酒店・新花中城大酒店・好陽光大酒店・杭州酒家・清波飯店・九州美食城・五洲大酒店・宏都賓館・蕭山国際酒店・新開元大酒店・南方大酒家…。
 その数とその規模とその内装に驚くばかり!日本にはない!一見の価値あり。



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