中華食材之旅

皮 蛋 ピータン
黎啓榕(新光貿易株式会社)

切るだけで前菜やお粥に、ピータンは簡単でおいしいですね。貴重なタンパク源・卵を、泥に漬けることで長期保存を可能にした「中国の知恵」、この発明は3百年前のことでした。

 7月、成田空港から山東省青島に。青島空港から高速道路を飛ばして7時間、「青島ピータン」の産地・梁山に到着。5、6年前に高速道路ができる前は 12時間以上かかる道のりでした。この時期は青島ピータンの、漬け込みからもみ殻に包んで熟成させる工程が、すべて見られます。

 あたりに点在する小さな湖を総称して微山湖といい、ここでアヒルを飼育します。アヒルは朝、湖に放され、夕方船に乗った農民に追われてアヒル舎に戻されます。運動と、湖の小魚・虫などタンパク源を取るためで、穀物飼料だけでは卵の黄身が濃くならない。

 アヒルの飼育と、ピータン生産は分業です。ピータンを漬け込むのは3月から 10月ころまで。アルカリ性の泥と調合液を入れたかめなどに卵を漬け込み、50〜60日後に取り出して、すぐに泥ともみ殻で一つ一つ優しく包みます。かめから取り出したらすぐに包まないとピータンはうまく熟成せず、現地の人いわく、「ピータンが風邪を引く」とのこと。1か月熟成させて市場に出荷します。ピータンは農産物、その年の気候により卵黄の固まり具合などが変わります。

  ピータンは北京・湖南・江蘇・福建・四川でも生産されますし、最近はウズラ卵や鶏卵のピータンもありますが、ここ青島ピータンの特徴は、アヒルの卵が大きいこと、卵黄中心部が半熟状態の「軟心」であること。「軟心」のピータンは、切り分けしにくいけれど美味。ピータンは「健康によいアルカリ食品」で、微量元素を含み、消化もよく、美容にもよい食品です!

卵をかめに漬ける 卵黄が柔らかい軟心 と、やや固まったもの

新光貿易株式会社
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