古の東西交易路といえば、ユーラシア大陸を横断するシルクロードがあまりに有名ですが、東西に大帝国が栄えた8世紀には海路を利用した海上交易も盛んになります。海の道はラクダのキャラバンとは比較にならないほど大量に商品を運びました。しかし陸路と違い、大海原は交易の足跡を残しません。何がどこまで運ばれたのか探り当てる手がかりはあるのでしょうか?
エジプトのカイロ市南部にある中世イスラーム時代の都市遺跡、フスタートは、この地にはるばる中国から陶磁器が運ばれていたことを実証しました。フスタートは、エジプトに侵攻したイスラーム軍によって7世紀半ばに建設されたエジプト最古のイスラーム都市で、10世紀後半から14世紀まで東西交易の要として繁栄しました。当時のフスタートの賑わいは多くの旅行家の記録に残され、世界中の商品が集められていたといいます。そんなフスタートも疫病の流行などで急速に衰え、14世紀を過ぎると廃墟と化しそのまま放置されてしまいます。
20世紀に発掘調査が開始された中世の都市フスタートは、情報の宝庫ともいえます。特に、朽ち果てることのない陶磁器は多くを語ります。ここで出土した中国陶磁器を分類すると、少量ながら晩唐・五代に製作されたものもあり、大量に出土したのは北宋・南宋・元時代の白磁や青磁で、ほとんどが品質・デザインともに高級品でした。さらに興味深いのは、輸入された中国陶磁器だけでは需要を満たさなかったのか、高価すぎたのか、それらをまねたエジプト製の陶器も同時に発見されています。中には、割れてしまった中国陶磁器の破片を丁寧に修理した例まで出土しました。エジプトに限らず中近東の人々は、中国陶磁器のガラスのようにつやつやで硬い質感に憧れていました。中近東で陶器に用いられる粘土は焼きあがると重くて割れやすいという弱点があったのです。フスタート出土の中国陶磁器には大皿や鉢が多いのですが、食事の際に大皿を用いる中近東の人々にとってまさに憧れの商品として大量に輸入されたのでしょう。
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アラビア文字装飾呉須赤絵皿
中国 福建、明末清初(17世紀)、径/約36cm
呉須(コバルト)でアラビア文字を装飾的に施していることから、イスラーム世界への輸出用に製作されたと思われる大皿
横浜ユーラシア文化館蔵 |
横浜ユーラシア文化館企画展
エジプトの小さなガラスの円盤
―中世イスラーム都市のくらし― |
| 日本初公開の貴重なグラス・ウェイトのコレクションとフスタート遺跡出土品を通して、中世のエジプト都市カイロの豊かな生活をご紹介します |
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08年1月26日(土)〜5月18日(日) 9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)
GW中は開館
入館料(企画展+常設展)
一般 500円
小・中学生 250円 |
ヴェセル・スタンプ
ガラス 8〜10世紀 中近東
ガラス製の計量容器に貼り付けられていた、アラビア語の銘文があるスタンプ
横浜ユーラシア文化館蔵
〈横浜ユーラシア文化館〉
〒231-0021横浜市中区日本大通12 045-663-2424
みなとみらい線日本大通り駅3番出口0分
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横浜ユーラシア文化館と菜香新館がコラボレーション!
清 芳 午 餐 (せいほうランチ) |
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寒さ厳しいこの季節に、広東白粥で心も温かく!
期間限定!2月29日(金)まで
月曜日から金曜日の平日 11:30〜15:00
¥2,000《1日限定50食》
【菜香新館】横浜中華街上海路 045-664-3155
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