特集
プーアル茶をご一緒に


 近ごろ人気の中国茶。茶の木の原産地、茶の故郷といわれるのは雲南省。広い中国の南部に位置するここは、少数民族の地。プーアル茶はここがふるさと。すぐ隣はミャンマーです。

 みなで楽しむとき、一人でほっとしたいとき、食事の後…、広い中国に茶の種類は多く、飲まれる茶は地方により異なります。北京など北方では緑茶と、緑茶がベースの茉莉花(ジャスミン)茶、その南の福建省あたりはジャスミン茶・烏龍(ウーロン)茶、さらに南の雲南・広東・香港でポピュラーな茶はプーアル茶。

●プーアル茶、なぜこんな名前?
 プーアル茶の名は茶の集散地・プーアルの地名から。茶の歴史は雲南で約3000年前に始まったといわれ、ここには諸葛亮・孔明が1700年前の三国時代に茶樹を植えたという伝説もあります。ここから清朝皇帝への献上品として都・北京へ、そして華僑とともにアジア全域に広まりました。

●プーアル茶、製法は?
 摘んだ茶葉をすぐに加熱し緑茶を作り、この茶葉を高温多湿の環境におき、時間をかけて後発酵させるのが、プーアル茶を代表とする黒(こく)茶の製法。プーアル茶の多くは、茶葉を円盤型に固めた餅(へい)茶、長方形に固めた磚(せん)茶、正方形に固めた方(ほう)茶、お椀型に固めた沱(トウ)茶などの形をとります。このように固形にしたのは長距離を運ぶ必要があったためで、これら固形茶は削って使います。一回分を小さく固めたミニ沱茶、固めない散(さん)茶は手軽に使えます。茶葉を香竹に詰め、蒸して竹の香りをつけた竹筒茶はいかが?

●品種はいろいろあるの?
 プーアル茶には品種・等級がありません。あるのは製品になった茶の違い。プーアル茶の味を表す「陳味」「陳香」という言葉があります。「陳味」は時間がかもし出す味、「陳香」は時間がかもし出す香りのことで、これがあるかないか、どの程度あるかの違いです。香港の人たちは「陳味」「陳香」の強いものを好みます。「古ければ古いほど香りよく、品質がよい」とされるため、古いプーアル茶ほど珍重され、びっくりするほどの高額で取り引きされるのです。しかし日本人には一般に「陳味」「陳香」の強くないものが向くようです。いろいろ飲み比べてお気に入りのプーアル茶を選んでください。

●どんなとき飲むの?
 広東・香港で、飲茶(ヤムチャ)をするときに欠かせないのがプーアル茶。日本でも、飲茶を楽しむ人が増えたころから、このお茶の人気は徐々に高まっています。工夫(ゴンフー)茶の作法を持つウーロン茶に比べると、日常的に気軽にがぶがぶ飲める普段着のお茶です。大きめのきゅうすにたっぷりつくり大きめの茶碗で、またマグカップのようなふたつきの茶碗に直接茶葉を入れてどうぞ。なお必ず手早く「洗茶」をしてください。

●プーアル茶は体にいい!
 日常の飲み物としてさまざまな健康上の効用が期待される茶。プーアル茶も例外ではありません。おなかの調子が悪い時はごく濃いプーアル茶で体を整える、年月を経たプーアル茶ほど薬効が増し健康によい、等々、医食同源の観点から語られます。

●ほかの黒茶は?
 後発酵させる黒茶にはプーアル茶のほかに、湖南省産の茯(ぶく)茶、広西壮族自治区産の六堡(ろくほ)茶などがあります。六堡茶はビンロウの花の香りが生じた、のどごしまろやかな茶です。一度お試しください。




樹齢千年と認定された
雲南省瀾滄(らんそう)の茶樹
(1997年発行の切手)

雲南の老茶樹


プーアル茶の茶葉


正方形に固めた
方茶(ほうちゃ)

おわん型に固めた
沱茶(とうちゃ)

ミニ沱茶 (とうちゃ)

長方形に固めた
磚茶(せんちゃ)

茶葉を固めない
散茶(さんちゃ)

雲南の茶問屋・同慶号の
80年以上前の餅茶
プーアル茶はラベル・
包み紙で年代が推定される。

プーアル茶の製品いろいろ
中国茶輸入三十年

新光貿易株式会社


 電話 045-662-7019
 FAX 045-662-7083




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