これはなぜ?

【劇の話】



京劇って「北京の劇」。広い中国で劇は「北京の劇」だけ?ほかの「地方の劇」ってあるの?
 京劇は英語でPeking operaペキンオペラ、「北京の歌劇」といわれます。京劇は中国の伝統演劇の代表的なもので、歌・せりふ・しぐさ・立ち回りからなり、この京劇を見ることを、「聴劇」、芝居を聞く、といいます。役者はまず歌が大事なのですね。
 この「伝統演劇‐京劇」は、中国・清の時代に生まれ200年近い歴史を持ちますが、その過程で多くの地方の伝統劇の精華を吸収し、また北京の言葉と風俗を取り入れて、ついには「北京の地方劇」にとどまらない、中国の代表的な演劇になりました。広い中国には、もともと多くの地方に、その土地の伝統的な地方劇がありました。安徽省の「徽劇」、広東省の地方劇「粤(えつ)劇」などです(「粤」は広東省の別称)。これら地方の伝統劇はそれぞれ今に至る長い歴史をもち、その地の人々にとって身近な娯楽であり、「劇を聞く」だけでなく仲間と演ずることもします。
 140年前の横浜開港以来、ここ横浜中華街に住みついた華僑は広東省出身の人たちが多く、昔は機会があれば舞台を作り、「粤劇」を自ら演じて見て聞いて楽しんだといいます。つい10年ほど前のことです。
 日本に定住する中国人が23万人を超す時代になりました。その中には、中国でこうした伝統劇を担ってきた人、胡弓など伝統音楽を身に付けた人も大勢います。京劇を主宰し自ら舞台に立つ人、教室を開き中国・日本の人を指導する人もいます。横浜中華街でも、ミニ公演がおこなわれ、音楽教室が開かれています。中国からの大規模な招請公演と比べ、気軽に中国の伝統文化に触れることができるでしょう。機会があったら、足を運んでみませんか?





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