これはなぜ?

【龍の話(その2)】



龍って中国の人々が考え出した想像上の聖獣だけれど、描かれた龍って形に特徴あると思いませんか。どうしてああいう形?

 龍ってどういう形をしていると龍なのでしょう。ヘビのような細長い体にうろこがあり、頭には角、ひげが長く、4本の足があって爪のある指が4本か5本、しっぽは体がそのまま平たくなったよう。

 想像上の聖獣、龍の姿は時代とともに変化しています。玉や青銅器に描かれた古代のごく初期の龍はヘビや魚の要素を持ったものだったようです。ある時代の龍は体も短く、獣(けもの)の体型をしており、またある時代には翼のある形もありました。龍は種々の強力な動物の長所を備えた神獣であるという観念が定着してはいましたが、その紋様が定型化したのは唐代(紀元7世紀〜10世紀)のころといいます。

 宋代(紀元10世紀〜13世紀)のある辞書は「龍の姿は、角はシカに、頭はラクダに、目は鬼に(?!)、首はヘビに、腹は蜃(しん)に、鱗はコイに、爪はタカに、手のひらはクマに、耳はウシに似ている」と九種の動物にたとえています。「頭はウマ」「目はウサギ」という説もあります。そのように見えますか?ちなみに蜃とはこれも想像上の生物で、吐く気が楼閣を描く(蜃気楼)といわれている大ハマグリだそうです。

 龍が雲とともに描かれると雲龍、とぐろを巻いて描かれると蟠龍(ばんりゅう)、皇帝の服などに描かれる正面を向いた龍を正龍(座る姿なので座龍ともいう)、丸い図案に描かれると団龍などと、歴史の長い龍だけに図案にも名称があります。

 ところで龍とともに描かれる玉はなんでしょう。「如意宝珠」、意の如くになる霊力ある玉といわれますが、これは潮の干満をあやつる、すなわち月であり、気候を支配する力の象徴だそうです。
 横浜中華街の関帝廟や九龍陳列窓の龍を一度じっくりながめてみてください。


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