異変!
東洋の真珠は
守られるか?

From香港【by小熊猫】

 歴史的な香港返還が終わり、ASEANも創立30周年を迎え、いよいよ21世紀はアジアの時代だと感じさせられる今日このごろ、現在東南アジア各地では巨大空港の建設ラッシュが始まっています。中でもアジアのハブ(軸)空港として長い実績を誇る香港は、来年、新空港“赤立角(チェクラプコク)新空港”をランタオ島の沖合にオープンさせる予定です。今回はこの新空港建設に伴う香港旅行事情についての話をお届けします。

 「香港」この言葉を聞くだけで幸せな気分に浸れる人は多い。グルメ、ショッピングetc。夜の飛行機は爆音と共に宝石箱の中に吸い込まれ、人それぞれの物語は始まり、そして繰り返す。啓徳空港はそんな永遠の物語の始まるところ…

 イミグレーションを出れば空港出口でガイドがお迎え、タクシーに乗ったって30分もあればホテルへチェックイン「なんてったって香港!」である。しかし、来年4月の新空港ではちょっと状況が変わりそう。総投資額500億香港ドル(約7500億円)、広さ4倍、旅客処理能力1.3倍、24時間体制、大型ショッピングモールにホテルと鳴りもの入りで登場する赤立角新空港だが、やはり「新しい」ため、さまざまなところでお金はかかるらしい。世界主要20か国の中で最低レベルであった着陸費は、現行の6割以上もUPするおかげで堂々の世界第9位にランキング。当然、航空会社がその分を航空料金に上乗せする可能性は限りなく高い。しかも、問題となるのは空港へのアクセス運賃である。タクシー利用の場合、啓徳空港〜香港島の中環は約100ドル(HK$)であるが、新空港〜中環は高速+トンネル通行料を含めると400ドル(約¥6000)にもなってしまう見込み。ツアーの場合、ガイドは現在のように一日に何度も空港に送迎に行くことは難しくなるため、空港鉄道の駅でお客を迎えることになったりして・・・そうなると大きな荷物を持って鉄道やバスを乗り継がなければならなくなってしまうのだ。ツアーの内容や受け入れ体制は間違いなく変わる。値段は上がるわ、不便になるわじゃ、なーんか香港らしくないのだがしかし、そこは世界一商売人の集まる所。新しく観光の「目玉」となりかつ商売になる秘策を繰り出してくれることであろう・・・

 「楽しい香港、愉快な香港」は不滅なのである。
              

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