これはなぜ?

【姓の話その2】



 中国の人は、結婚しても男性も女性も姓が変わらないって本当?
 それはなぜ?
 子供の姓はどうなるの?

 中国の有名な政治家、故・周恩来(ゾウ・エンライ)元首相の奥さんは●頴超(デン・インチャオ)、この人も政治家でした。
 新中国成立後の1950年に公布された「中華人民共和国婚姻法」には、「第三章、夫婦間の権利と義務」の項に、「十一条、夫婦はおのおの自分の姓名を用いる権利を有す」とあります。夫婦平等の原則のうえに立って、自分の姓名を名乗ることを権利と明記しているわけです。

 このように、婚姻届を出した夫婦でも姓をどちらかに統一するということがありませんから、そうと知らないとご夫婦とは分かりません。

 昨今、日本人と中国人の国際結婚も増えていますが、結婚によってただちに一方の国籍を取得するものではないので、その場合も原則として夫婦別姓になります。

 もともと姓が血縁集団の呼称であり、同姓不婚(同姓の男女は結婚しない)の思想が習俗的に行われていた東洋では夫婦別姓が一般的でした。しかし近代、家の観念が強くなるとともに姓は男女の不平等な地位に対応したものになっていきました。中国では、女性は、男性の姓の後に実家の姓を付けたものを姓とし、そこに「氏」を付けて、「李張氏」などという形を自分の姓名とすることも多かったといいます。

 中国では子供の姓は出生届を出すときに夫婦どちらかの姓に決めればよいそうで、兄弟姉妹で異なることもあるとか。

 本来の血統の表示から家の名称へ、そして個人の呼称へと変わりつつある姓。日本では選択的夫婦別姓を導入する民法改正が論議されていますが、身近なところに多様な現実があるのですね。


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