これはなぜ?

【姓の話その3】



 国際化の進む中で、中国人と日本人の結婚では夫婦は別姓というけど、 では子の姓は?

 その現状は… 日本では現在「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」と法律に定められ、夫婦同氏(同姓)、親子同氏の原則がとられています。
 しかし、これも日本人同士の結婚の場合。日本に住む外国籍の人141万人余り、海外に長期滞在する日本人も多い現在です。外国籍の人と結婚する日本人もあなたの周りに多くありませんか?

 日本の国籍を取ろうとする外国人も増えています。日本国籍取得にあたっては、以前は日本風の姓名を名乗るよう指導されていましたが、最近では人名に使える漢字、ひらがな、カタカナならよいということで、中国の人はもともとの姓で申請し、許可されることもあるようです。

 一方、1985年に日本の国籍法が変わりました。国籍法は憲法の「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」との規定に基づく法律です。それまでの「出生の時に父が日本国民であるとき子は日本国民とする」という父系血統優先主義から、「父または母が」という父母両系主義に変わりました。両性の平等の理念に抵触する部分が改正されたわけです。

 中華人民共和国の国籍法は二重国籍を認めません。この年以降に生まれた中国人と日本人の親を持つ子は日本籍と日本の姓を取得することになります。それ以前、母が日本人の場合、どうなのか?ひとつの家族の中で1984年までに生まれた子は父と同じ中国籍・姓、その後に生まれた子は母と同じ日本国籍・姓ということになります。

 これが現実。法律、国籍、民族意識、家族の一体感…。姓名という個人のよりどころを取り巻く環境は急激に変化しています。


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