特集
「中国製造調理器具博覧会」

日中国交正常化からはや25年、中国料理もすっかり私たちに身近な存在となりました。ギョーザ、チャーハン、エビチリ、スブタ…へへん、そんなんわかりきってらぁと小鼻がピクリのあなた、ではコレはご存じ?「鋼叉焼排鈎」「元針挿」「ささら」…他の2つはともかく「ささら」?何かの妖怪??コレはみんな調理器具の名前なの!というわけで強者どもに愛されて幾年月、でも名前も見た目もかなり新鮮な調理器具。中華街の隅をつつきまわる豆彩ならではの濃〜いラインナップでご紹介。ここに紹介した調理器具は中華街の専門店でほぼ入手可能です。興味のある方は一度のぞいてみてください。


月餅型
オール木製のあたたかみ。金物だらけの調理場で際だつそのなごみ具合。思わず部屋の隅に置きたくなるカワイらしさ・凹みの部分に生地を詰め、コンとたたけば型取り完了!本場ではこの型の専門店があるくらい、型のバリエーションが豊富。もちろんオーダーメイドも可。木工好きのあなた、キティちゃん型なんか、作ってみる?


てんびんばかり
今どき学校の授業でも使わなさそうな何ともクラシカルなたたずまい。しかしこれがチャイニーズ・スタンダード。棒の部分に目盛りがついておりこれに重りを合わせ計量。写真の物は2斤2両(約1.3kg)まで計れます。使い慣れれば計量器よりもむしろベンリ。けど計量器同様新人コックの泣き所。


計量器
ふつうのと一緒じゃんと思いきや、よーく見るとグラム表示がない!これは香港式の計量単位表示の計量器で、香港人コックのいる店には欠かせないモノ。ちなみに1斤(カン)=約600g、1両(リョン)=約37g。新人コックはこれを覚えるのがまず一苦労。 しかしこの計量器、ごらんの通りMADE IN JAPAN、株式会社イシダ製の逆輸入品なのだ!!


彫刻刀
あの四角い包丁ばかりが中国包丁ではないのダ。プロ仕様のこの彫刻刀なら、大根や人参があっという間に龍や鳳凰に変身!スイカだってご覧の通りのウツクシさ。日本製でもよさそうなものだけど、「やっぱり本場物じゃなきゃこのラインは出せん」。よし自分も、と思ったけど、その前に修行が必要なんだよね…。


ささら
哀れにも妖怪扱いされてしまったささら。だけどとっても働き者なのささら。料理を作った後の鍋をこすって洗って、サラッときれいにするささら。あっという間にピカピカになっちゃうささら。これなくしてはおいしい料理は作れないのささら。ああささら、君がいなけりゃだめささら!!


けんざん
なぜ料理にけんざん!?見ただけでは全くのナゾ。ちょっと危険なテイストを持つコイツは、皮付きの肉を焼く時、気泡ができないよう表面をまんべんなくつつくために使う、実にシブ〜い名脇役。調理器具界の成田三樹夫と言わしめたスゴイヤツなのだ。えっそんな人知らない?失礼いたしました…。


かぎ針
壁掛けフックのような、新種のハンガーのような…?正解はチャーシュー用のかぎ針。まずまっすぐの串に味付けした肉を刺し、それをかぎ針にひっかけて釜につるしてじっくり焼けば、おいしいチャーシューの出来上がり!チャーシュー(叉焼)とは、「叉(かぎ針)につるして焼く」という言葉がそのまま料理名になったものなのです。



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