これはなぜ?

【人の話】



 横浜中華街の中国人は広東省出身の人が多く、料理も広東料理が圧倒的。どうして広東の人が多いの?

  1859年に横浜が開港して以来、居留地に商館を構えた欧米人に伴われて、あるいは単身で、広東・香港・上海などから中国人が横浜を訪れ、横浜中華街の歴史が始まりました。訪れた中国人は広東省出身者が多いということは資料に明らかだそうで、それは当時の中国国内の情勢と世界的な経済状況の変化によるといいます。

 今でこそ横浜中華街は中国料理の街として知られていますが、今ある料理店のうち、戦前からある店はそれほど多くなく、ほとんどが戦後すぐかそれ以降にできています。どの店も当初は家族労働で、一家の主人がなべを振っていました。広東料理の店が多いのは、中国料理業に従事するのが広東省出身者に多かったからで、ちなみに裁縫業に従事するのは上海出身者が多かったとか。

 ところで1996年末現在、日本に定住する中国人は23万人ほどで横浜市には1万3千人の中国人が暮らしています。23万人の出身地はというと、多いのは上海市・台湾でそれぞれ4万人ほど、次が福建省で、広東省出身の人数は8番目にすぎません。それを考えると、歴史的に古くからいる広東省出身の華僑が多いということが横浜中華街の大きな特徴なのですね。

 こうして広東の人による広東料理の街となった横浜中華街は、今では香港から料理人を招聘する店も多く、その数はこの小さい地域で五百人ともいわれます。みなさまにご利用いただいています「おいしさネットワーク」の珠江飯店・菜香でも常に30人近くの料理人を香港から招いています。 

 いまや横浜中華街は、世界でも有数の「おいしい広東料理」の街、中華街に成長したわけです。

 


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