音楽の愉しみ

『トゥランドット』の迫力



  オペラは知らないという人でも「蝶々夫人」というアリアを知らない人はいないと思う。作曲者はプッチィニー、イタリアの人。「蝶々夫人」は長崎を舞台にしているがほかにアメリカを舞台にした「西部の娘」や中国を舞台に書かれた「トゥランドット」などがある。今回はお薦めオペラ第二弾としてこの「トゥランドット」を紹介したい。

満月の夜、北京の街で夜ごと謎解きが行われる。チャレンジするのは若い王子たち。敗れれば首をはねられ、勝てばトゥランドット姫を妃にすることができるという。しかし日ごとに増えるさらし首に市民はおびえ父王さえもこれ以上無為な血を流すな、安らかに死なせてくれと言うほど。葬祭を執り行う三役人はその名も「ピン」「ポン」「パン」といい葬式ばかりで嫌気がさしている。

 カラフという流浪の王子が姫の美しさに魅せられ謎解きに挑戦し勝利する。姫の拒絶にあうがいろいろあって最後はハッピーエンドとなるのだがこの陰には王子を慕う女奴隷の純愛と犠牲がある。

オペラではあの「茉莉花」のテーマが再三表れ、有名な「だれも寝てはならない」の詠唱、皇帝のテーマなど中国的旋律がふんだんに聴かれる。特に皇帝が登場する場面は華麗にして勇壮、聴く者の心をわかせる。まさに大中華の迫力である。

絢爛(けんらん)豪華な舞台と中国的な音楽。そして波瀾万丈の物語…とオペラの醍醐味を堪能できる格好のオペラである。

 テレビも新聞も「倒産、不況」という言葉を伝えない日はない。先の見えにくい世の中しばしおもしろいオペラでリフリェッシュし、明日に備えてはいかがでしょうか。

 


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