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発行人・曽徳深


 横浜中華街は食の街であります。東西南北、各地から人々はつどい、物が集まり、おのおのがそれぞれの流儀で、多姿多彩な「おいしさ」を創り出しています。日本語・広東語・上海語・福建語・台湾語・北京語…がとびかい、数々の思いと物語が、そして多様な文化が交差する食の街であります。

「食文化」という言葉があります。それは「食」と人間社会の森羅万象とがかかわりあって生じる諸相といってよいでしょう。経済・文化・政治・科学・芸術・教育・医学・宗教…人間が営むすべての活動は「食」という地下水脈につながっています。

「食」は人間の本能であり、人間生活(個人と集団)のもっとも根っこの部分を形づくっています。ただ「日常茶飯事」という言葉があるように「食」は日常的に繰り返されるため、また飽食という満たされた状況下の日本にあっては、私達は「食」の真の姿を見失い、おろそかにしがちであります。

「食」を基点とした生活と文化について、日頃の体験や思いや疑問を語り合うために「おいしさネットワーク」は『豆彩』という場を用意しました。「豆彩」は中国陶磁器の一種で、磁器の白い肌に淡雅清明な色彩が互いに響きあう美しい様を見るのは、まさに眼福であります。

 横浜中華街になにかのえにしがある人々が、『豆彩』という器に、言葉や写真や絵などの表現手段で、それぞれの物語を盛ってくださることを楽しみにしています。

1997年正月吉日 TOUSAI 1997.2


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