激震!
いけてる白酒
とは?

From中国【小熊猫】

 最近、気付きませんか?茅台酒のボトルの異変に…そう、あれですよ、あれ。中身を入れ替えられないようにしてあるボトルの口。一体どうしちゃったんだろう?と思っていたら、やはり理由がありました。しかも、何十万、何千万の命を奪う程の危険をはらんでいるという!?今回は中国首脳も頭を悩ます殺人白酒についての話をお届けします。

 「白酒(パイジュウ)」は高粱、小麦をベースに作られる蒸留酒。そのアルコール度数は40〜50度以上と非常に高いのですが、馥郁(ふくいく)とした香りと滑らかな舌触りは酒飲みの心をわしづかみにして離しません。中でも茅台酒、五粮液、剣南春の国産三大銘酒等の高級白酒はこのところその需要の高まりに伴い値段は上がる一方。

 さて、高級品が一般庶民の手に入らなくなればなるほど「手頃な値段で高級品を」と偽物が出回るのは全世界共通の事情である。白酒もついに偽物の登場とあいなりました。しかも本物の空き瓶・ラベルを使うという念の入れようです。しかし、中身は工業用アルコールに水道水を混ぜただけのものであったため、病院送りや中毒死する人が続出。警察も取り締まりに懸命になっていますが、偽物業者もあの手この手で巧妙に販売ルートを作り、イタチごっこが続いています。

 そこに、なんと「白酒の酒税は50%と高税率で、財政収入に欠かせない」と地方政府までが参入し、設備のいいかげんな酒造工場が乱立。その結果、粗悪品が高級白酒として売り出されるに至りました。第一回全国白酒品評会では出展された326種の8分の1が商標違反、盗用であり、あまりの数の多さに品評会を中止する騒ぎまで起きるほどであった。しかし、最大の問題は白酒づくりに熱中しすぎ食料不足を引き起こすのではないか?という心配です。

 白酒の製造に使う穀物は全国で年間1350万トン。これはなんと3000万人分の食料にあたります。このうち250万トン以上が「ニセ」白酒に使われているというから、いやはや白酒づくりは本当に旨味(うまみ)があるらしい。食料危機を招く恐れがあるほど、白酒づくりの熱が覚めやらぬ中、白酒がバブル(泡=粟)にならぬよう祈るのみである。

 ものは取り締まることができるが、人の心を取り締まることは難しいということか……。
              

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