これはなぜ?

【姓の話】



 中国の人って同じような姓(名字)の人が多いけどどうして?
たまたまそういう名前を耳にするだけなのかな?

 中国では姓は4千年以上の歴史をもち、漢代(紀元前3世紀から紀元3世紀)には天子から庶民まで姓を有していたといいます。 中国人の姓の種類、数は?というと、歴史的な記載の中に出てきた漢字の姓は全部で5600あまり、しかし、現在実際に使われている姓は3千ほど、その中でよくある姓は2千ほどにすぎないといいます。
 12億の人口での話です……少ない!
 中で多いのは圧倒的に1字の姓で、2字の姓は100あまり、3字の姓はほとんど消えました。

 では中国人に多い姓ってどういう姓?
 俗に「張王李趙劉はどこにでもある」といいます。最も多い姓は李で、一億人近くいると推定され、次が王、3番目が張だとか。ただ同じ李姓でもその起源はいくつかあるそう。

 1987年発行『中国姓氏大全』という本に首都、北京市の姓の統計が載っています。それによると北京市には2225の漢字の姓があり、王は人口の10%強、李・張はそれぞれ10%弱、劉は7%ほどを占め、その4つの姓で北京市の人口総数の三分の一以上を占める局部的とはいえ傾向が分かりますね。

 横浜中華街のある横浜市中区はというと4千人以上の中国人が住んでいますが、ここでは陳がいちばん多く、李・林・楊・張と続き、その5姓で約四分の一を占めるという話です。

 中国の人の名前は普通フルネームで呼びます。会話でも、文章でも、また自己紹介でもそうします。これは、このように一字の同じ姓の人が圧倒的に多く、同姓の人との混同を避けるため、名前まで言う必要ができたからでしょう。

 呼称として、姓の前に「老」をつけて敬意を表し、「小」をつけて親しみを表すことがありますが、これは1字の姓に限られます。それは中国語の音のリズムからきているのですね。


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