知ってトクする?!
中華街日常生活的街道指南
いつもは料理のかぐわしい香りであふれる中華街も、わが豆彩にかかればディープな生活臭にむせかえる横丁になってしまいました。
あの店この店、ひょいと入った横道に、クスッとさせられたり、めまいに襲われたりのオモシロ話がてんこもり。
ガイドブックや観光パンフじゃ知りようのない中華街。知ってどうするという気もしますがお役立てくだされば幸いに存じます。

下記の地図をクリックすると大きくご覧になれます。

エリア1
●A川…ここの定食は1000円前後。おいしいし、おかずに手抜きがない。「こんなに安くてよいのだろうか」と食べ終わった後罪悪感に陥る。
●W園…手打ちそばの店。店内の雰囲気も手打ちそばも昔からずっと変わっていない。とにかくおいしいおそば屋さん。
●T草…メニュー豊富でお袋の味とその味を作り出すお母さんが売りの店。焼酎は一升瓶でボトルキープできる。おはしもキープできるけどこれは常連さんだけ。
●その昔ここにインド屋敷があって、インド人商人が生糸の輸出を行っていたことから、このあたりの道は「シルク・ロード」と呼ばれていた。震災のときにインド人が援助した碑が山下公園にある。

エリア2
●E楼…カラオケ好きなおじさんがいる。パブで80曲を6時間歌い続けたが、レパートリー6曲だけだった。今は12曲に増えている。

エリア3
●K東…昔少林寺にいたおじさんは(本人証言)、たまに思い出したように出刃包丁を2本手に持ち、「これが二刀流だ」と言って振りかざしている。中華街のお年寄りの中でも貴重な存在。

エリア4
●S飯店…店を建てる前は屋台で、配給された小麦粉、砂糖で揚げドーナッツを売っていた。善隣門まで行列ができたという話。
●D発…民族楽器の演奏がある店。華僑の人たちの結婚式をする場として恒例の場所。その時は全館貸し切りになる。その昔は映画館だった。当時はチャップリンの映画が5円で見られて、夏のナイトショーには店を終えた家族連れで満員になったという話。
●S記…お粥屋さん。その昔パトロールに来ていたお巡りさんのマイクをもぎ取り、「S記のお粥うまいよ〜」と叫んだおばさん。その後2人は20年経ってから偶然にも再会し、今は良き友となっている。
●ホテルニューグランド…横浜でも由緒ある老舗のホテル。戦後まもなくマッカーサーが滞在したホテルとしても有名。当時、部屋のインテリアを自分好みに変えさせ、壁紙も真っ白に変えさせたという説がある。今でも、そのマッカーサールームに宿泊できる。スイートタイプで部屋代6万円(税抜き)。ちなみに大佛次郎ルームはダブルで部屋代2万8千円(税抜き)。

エリア5
●W・ジャーマー…横浜屈指のジャズバー。ジャックタン発祥の地。本場のジャックタンを飲みに行こう。フードにも手抜きがない。

エリア6
●A・ホットドック…50年前からあるホットドック屋さん。値段も安く、店内も当時と変わらない。親・子・孫の3世代で利用するお客さんが多い。中華街でも貴重な店舗のひとつ。
●加賀町警察署…現在の加賀町署は居留地の時代(幕末から明治31年)には、居留地警察が置かれ、酔っぱらった外国人や事件を起こした外国人を収容する施設であった。

エリア7
●K興…台湾屋台料理屋さん。午後5時より午前2時までやっている店。麻辣肥腸がおいしい。

エリア8
●Y号…鉄ブレーキに皮サドルの新聞屋さん御用達の自転車をご愛用のおねえさん。たまに警察に呼び止められ、「これおまえの自転車じゃないだろ!」と自転車泥棒に間違えられる。
●A園…一見昔の銭湯を思わすような古いたたずまい。店へ入ると中庭があり、離れがある。外観からは想像がつかないほど大きい店。売り物は昔から変わらない北京ダック。
●K苑…おいしい炭火の焼き肉屋さん。中華街のコックさんもよく行く店。ある日、日本語があまり話せない香港のコックさんが、日本語あまり話せない韓国のおばちゃんにユッケを注文する時「ナマニクタマゴ」で通じ合っていた。ちなみに、骨付きカルビは「ホネアルワニク」でした。食は国境を越える。

エリア9
●昔ここに銭湯があった。夕方7時頃になると女湯は孫を連れたおばあちゃんたちでいっぱいになる。孫にラムネをせびられている光景は日常茶飯事。その頃お母さんは店番で忙しい。夜9時過ぎると男湯は1日の労働を終えた店のオヤジとコックさんが一緒になって汗を流していた。
●H…甘味処。もともと銭湯をやっていた主人が開いた店。くずきりがおいしいよ。
●H昌…ここの牛バラカレー飯はうまい!中華にもカレーがあるんだよ。お試しを。
●A記…朝9時半には営業しているお粥屋さん。以前は、朝まで飲み明かした酔っぱらい客で10時ぐらいまで満席になる。彼らと相席になると「あなたこれから仕事、私たちこれから寝る。だからビール飲んでも大丈夫ね。」と、これから仕事の人にはこたえる一撃。
●A屋…アーミーというハスキー犬がいる。半端なく大きいけど非常におとなしい。観光客の人気者。散歩してくれる人募集中。
●昔ここに駄菓子屋があった。子供のところてん¥30、大人のところてん¥50。う〜ん懐かしい響き。
●K昌…懐かしのゴールデン・カップス、エディ藩さんの実家。季節メニューの新しょうがと牛肉の炒めは絶品。

エリア10
●M店…なぜか12時まで営業している洋品店兼お土産屋さん。小さいお店ながら所狭しと商品が並ぶ。
●Gセンター…昔、Gセンターの2階はジャガーというディスコだった。なぜかトップレスの外人女性ダンサーが踊っていた。ホントにディスコだったのか?
●S屋…ひとりで中華街を散歩できるお利口犬のメロンという犬がいる八百屋さん。
●N川…魚屋さん。夕方4時頃になると、コックさんの見習いが魚とにらめっこしながら、従業員の晩ご飯のおかずに悩む姿が見られる。

エリア11
●Oホテル…その昔交易のために香港から来た中国人たちのために建てられたホテル。今でももちろん営業している。一見さんが来ると「他にもっといいホテルがあるからそこへ泊まりなさい」と言って断る。こだわりのあるホテル。
●〒…中国語を話せる日本女性職員がいる。この人のおかげで助かってます。

エリア12
●K楼…ミュージシャン李成福さんの実家。
●M福…味も値段もおばちゃんの威勢も相変わらず変わらない。牛バラご飯がおいしい。でも子供の頃食べきれなくて残したら怒られて、それ以来恐くて行けなくなった。今は通いつめているお店の一つ。
●T記…ここのおばちゃんも威勢がよい。子供の頃恐かったおばちゃん第2号。「M福」のおばちゃんと違うのは、はじめから恐いって知っていたから、子供ながらに身構えることができた。豚足麺がおいしい。

エリア13
●R…焼鳥屋なんだけど、じゅうたんパブもある、不思議な感じのする店。昔のゴーゴー喫茶のはしりだった店。
●S協和…海産物、畜産物卸・小売りの店。中華街のコックさんが朝の出勤前に、すでに晩ご飯のおかずを考えていて、ここで購入する。

エリア14
●T屋…中華街で唯一和菓子を売る店。中華街の人たちのおやつには欠かせない店。おにぎりがめちゃくちゃうまい。たらこ、わかめのおにぎりがおすすめ。
●山下町小公園…幕末の頃には「会芳楼」という劇場兼中華料理店があって、広東の劇や西洋人のアマチュア劇、日本人の曲芸などが行われていた。明治になると清国領事館が開かれた。今はここに2階建ての華僑婦女会館があり、1階には中華街で働く共働きの華僑のために保育園小紅がある。当初は華僑一色だったのが今では中国人、日本人、韓国人、アメリカ人のいる国際色豊かな保育園である。

エリア15
●Pホテル…その昔先代のおじいさんは中華街で蛙を売って生計を立てていた。すごい!
●ラ・ムーン(実名)…その昔のフリチャチャ、ハマチャチャが全盛期だったころのディスコ。元町にはアストロ、本牧にはリンディーがあったけど今はもうない。またやってくれないかな…。昔は男同士では入れなくて同伴または女同士という決まりがあった。
●華僑基督協会…その昔、説教も賛美歌もすべて広東語で行われていた。

中華街にあるウソのような本当の話

1.飲んで酔っぱらうと決まって自分の店に朝方5時頃行き、レジに設置してある隠しカメラの前でひと踊りしてから帰るおじさん。いつものように隠しカメラの前でひと踊りしたおじさん、実はその日の夜中泥棒に入られ、その犯行現場と踊るおじさんのビデオテープが証拠品として加賀町署にいまだに保管されている。

2.犬と一緒に山下公園の海を泳ぐおじさん。最近は体を気遣ってやっていない。

3.善隣門を起点に逆時計回りに3回歩いて回ると男の子が産まれるという話。ちなみに時計回りだと女の子。(善隣門→重慶飯店→関帝廟→郵便局→三角交番→ホリデイ・イン→北京飯店を左→横浜華銀→善隣門)。実際にやった人がいる。結果は…?


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