これはなぜ?

【玉の話(その2)】



 玉(ぎょく)、特にひすいは中国の人にとって昔も今も特別の存在。
 そのひすいの裏事情は?

  中国清時代の小説「紅楼夢」の主人公、賈宝玉(かほうぎょく)は、霊気を持つ「通霊宝玉」を失うことで気が狂ったといます。 人が玉(ぎょく)に影響を与えるのか、玉が人を感化するのか、玉は霊気を持つといわれ、中国文化に深くかかわってきました。人々は玉を愛で、玉を身につけ、玉を蓄えてきました。そこににせものが登場するわけです。

 硬玉であるひすいは「色が濃く鮮やかで、色の分布が均一で、質が細かく透明で、水気がある」のがよいそうですが、にせものはそれに似せるわけです。人工物や似た鉱物をひすいと偽り、あるいは、質の悪いひすいに人工的に化学処理をする、あるいは人工的に色を付けるのです。

 人工物とはガラスでできたものなどで、ガラス製の物は、内側に円形の気泡が見えます。似た鉱物にはアフリカ玉・オーストラリア玉とよばれる物があり、ひすいに似てはいるが、化学成分・硬度・屈折率などが違い、マレーシア玉とよばれている物は、石英に色を付けたもので、いずれも一見しただけでは見分けがつかないとか。

 化学処理を施す方法の一つは漂白。表面が黄色っぽい物を強酸に浸けて漂白するわけです。人工的に色を付けるためには加熱します。加熱して紅色に変えるのです。中国人は緑のひすい以外では吉祥を表す紅色を好むからです。色を付ける別の方法は染色液に浸ける方法で、緑色や紫色にすることが多いそう。これらはひすいが多結晶体であることで可能だといいます。

 ひすいは重さで価値のはかれない宝石、あなたもひすいの霊気を身に…。

 購入する時はくれぐれも気をつけて!?


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