これはなぜ?

【飴の話】



月餠(げっぺい)、これってほんとうは秋の中秋節の供え物。中華街には、なんで1年中あるの?

 横浜中華街の人気のおみやげ、月餠。あなたもおみやげにしたことあるでしょう?  旧暦8月15日(今の9月中旬ころ)の月は1年でもっとも明るくきれい。月は古くから信仰の対象、中秋節は満月の祭りでした。作物の収穫を感謝して、昔の中国の人々は庭にテーブルを置いて供物を供えて拝し(拝月)、その後に酒食を供えて月見の宴を催し(賞月)ました。この時男の子は出世を、女の子は容色の美しくなるようにと願ったといいます。宮中はもちろん貧しい人も一家団欒(だんらん)して楽しんだそうで、月の円(まる)いことと、一家団欒をかけてこの日を団円節ともいいます。 この中秋節に食べるのが月餠。月餠には、「元の末、蒙古の支配に苦しんでいた人々が、餠の中に期日を隠して伝え合い、仲秋の日に蜂起した、それを記念して食べるようになった。」という伝説があるそうで、14世紀ころに始まった習慣といいます。 月餠は名のごとく満月をかたどって作られるもの。小麦粉に脂油を加えた皮に果肉・木の実・豆餡などを入れますが、地方によりいろいろ、北京式、蘇州式、広東式などとあるうち中華街のものは広東式。餡の中にアヒルの塩漬けの卵の黄身がゴロンと入った月餠は、切ると夜空に月がぽっかりという風情、甘さと塩味がマッチしてファンも多いひと品です。  中国・香港などでは早くても8月半ばを過ぎないと店に並ばない季節物の月餠。横浜では「神奈川の銘菓」にも指定され、中華街を訪れる方のために一年中ある月餠、最近は買いやすく食べやすいミニ月餠も出回ってます。この機会にいろいろな味を試して「私のおすすめ」を聞かせてください。

 


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