上海蟹トゥルーパーズ
ヤツらの時代がやってきた
  上海蟹の調理手順

1.蟹は必ず生きているものを、流水でさっと洗います(ヒモはほどかずに)。

2.そのまま蒸気の上がった蒸し器に入れて、強火で15分ほど蒸します(蟹の下にシソの葉を敷いて蒸すと香りがよく本格的)。

3.鎮江香醋に、好みでしょうがの細切りを添えて蟹につけて食べます。蟹は体を冷やす性質があるので、温性のしょうがでバランスをとるのです。レストランでは食後にしょうが湯が出てくる所もあります。


 これではB級ホラー映画のキャッチコピーだが、あの容姿を見るにつけ、やはり「ヤツら」と呼ばずにいられない。
「ヤツら」とは上海蟹のこと。
 上海蟹(中国名は大閘蟹ダアヂャアシエ)は中国江蘇省名産の淡水蟹で、10月から11月にかけてが旬。もちろん甲殻類大好き民族の日本人にもファンは多く、かのミスタージャイアンツ長嶋茂雄監督の大好物としても有名(一部で)。 上海蟹は生きたまま、わらやヒモでぐるぐるとしばられやって来る。これはハイジャック防止目的というのはうそで、鮮度と品質保持のため。しばっておかないと暴れて身が痩せるは、殺し合いのケンカを始めるはで届くまでに全滅してしまうから。死んだ蟹を食べると中毒をおこすので食べてはいけない。こうして長旅を終え中華街の食材店に並ぶヤツらの面構えを一度見てほしい。ポスターなんかで見かけるおいしそうなオレンジ色とは似ても似つかぬ泥のような色をして、エイリアンチックに泡を吹くその姿は正しくB級ホラー感に満ちており、たまに緊縛状態のままもがいた挙げ句道に転がり落ちたりしてるヤツもいたりして歩いている途中ふんづけそうになるのも秋の趣(?)。
 そんなライク・ア・ローリングストーンなヤツらでも、蒸すこと15分で「紅袍登殿(赤い着物を着て宮殿へ上る)」と呼ばれるほどの大変身。レストランで味わってもいいけれど、生を買い求め家で蒸してじっくり楽しむのもまた一興。生前の姿を思い浮かべると、自慢の蟹ミソもさらに味わい深くなるというもの。選ぶコツは、なりが小さくてもずしっと重く、目のあたりをつつくとよく動くものが活きがよし。よく「雌の方がミソが多くてうまい」と言われるけど、11月ころの雄も、肉に脂がのっておいしいことも要チェック。名パートナーの鎮江香醋(黒酢)もご一緒に、カラが山積みになるほど味わい尽くしてみてはいかがでしょう。

中華街でおひとつどうぞ

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